今回は、「引きこもり相談」と「教育のご相談」の事例を通して
個人向けサポートメニューをご紹介します。
「人間関係や心の悩みに関するサポート」から
カウンセリングとコミュニケーション向上トレーニング・人間関係づくりトレーニングを
「生き方やキャリアに関するサポート」から
キャリアコンサルティング(自己分析・応募書類の添削・面接練習)を詳しく解説します。
■引きこもり相談
Aさんの引きこもりのケースで、相談から解決までの内容を紹介していきます。
1.相談者(母親)との面談
相談があったのはAさんの母親からでした。
AさんがTVゲームや動画をずっと見ているので、子供の将来が不安で相談しようと思ったことがきっかけでご相談に来てくださいました。
また、Aさんは学校卒業後就職したものの10カ月で退職し、引きこもり状態になっていることから、子供の自立を願っています。
ご相談に来ていただいたら、まずは相談しようと思ったきっかけや現在の様子をヒヤリングします。
次にAさんとどうやって面談をするか考えます。
親と一緒なら来談可能か、SNSやメール連絡で本人にコンタクトできるか、自宅訪問で本人と会えるかなど、いろいろな方法を挙げていきます。
今回は、Aさん本人の希望で自宅を訪問することになりました。
2.本人との面談
Aさんとの面談です。
Aさんには、カウンセリングをしながら引きこもりになったきっかけや今後の希望を確認します。
話を聴いてみると、Aさんが仕事中、仕事内容でわからないことがあり上司に聞いたところ、「前にも言ったよね」と言われてからわからないことを聞くのができなくなってしまいました。
その後、何回か仕事でミスをしてしまい、自信を失って仕事を辞めたそうです。
引きこもってしまった理由は、親から「働いてほしい」と言われるたびに、責められているようで部屋から出られなくなったと話してくれました。
最終的に、Aさんは就労を希望していること・コミュニケーションの苦手意識を改善したいことが確認できました。
3.本人との面談に沿ったトレーニングメニューの提案
本人が今後どうしていきたいのか本心がわかったら、その本心に添えるようなトレーニングを行います。
コミュニケーション向上トレーニング
①トランプや将棋・クロスワードパズルを一緒にやりながら、自然と雑談ができるようにする
②各人に配られた情報カードをもとに与えられた課題を達成するワーク通し、相手に聞くことや伝えることを身に着ける
情報カードを使ったワークの例として、街の情報をカードに記載し、街の地図を完成させるような課題があります。
情報カードの課題は、必ず2人で行うものです。
課題をこなしていくことでコミュニケーション能力を養います。
③相手を尊重しながら自己主張をする会話スキルを、ロールプレイをしながら学ぶ
失った自信を回復するための人間関係づくりトレーニング
①カウンセリングを通して信頼関係を気づき、一人で来談できるようにする
最初の面談は自宅で開始したが、2回目からは母親と一緒に来談していただきました。4回目からは一人で来談できるようになりました。
②毎日の生活行動の記録
「起床時間」「食事」「入浴」「休息」「インターネット」「就寝時間」などを記入します。
「起床時間」を早くする、「インターネット」の時間を短くするといった目標をつくり、クリアしていくことで自信を回復します。
③自身の短所から長所を発見する
長所を自覚することで自己肯定感が高まります。
発見した長所から、仕事で通用する強みを見つけていきます。
4.就労に向けてキャリアコンサルティングでのサポート
ここまで、本人の気持ちや今後どうしたいかについて聞き出し、将来のために動き出すためのトレーニングを行ってきました。
ここからは実際に就職するためのサポートに入ります。
職業を理解する
まずは、60種類の職業カードを用いて、仕事の内容や仕事に向いているタイプを理解します。
職業カードを使うことで、どんな職業があるのか理解を深めていきます。
また、実際の求人票やその会社のホームページを見ながら、自分が働くイメージを固めていきます。
履歴書を作成する
働きたい場所が決まったら、履歴書の作成と面接の練習です。
トレーニングメニューで発見した強みや長所を盛り込んで、志望動機欄をつくり、履歴書を完成させます。
さらに、面接時のマナーや心構えなどレクチャーし、実際に模擬面接をしながら自信をつけていきます。
就活がうまくいけば就職にたどり着きます。
これが引きこもり相談の流れです。
Aさんは、コミュニケーションに自信が持てるようになり、働く意欲も出てきました。
しかし、最初は無理をせず、週3日のバイトからスタートしてフルタイムで働くことを目指すことにしました。
その後バイトの面接試験も合格し、今は元気で働いています。
■教育のご相談
教育のご相談内容で多いのは、子供が引きこもりではないがインターネットやスマートフォンを使用している時間が長く、最近は家でほとんど話さないで困っているという親からの相談です。
そのような時に、次のようなことを相談者(親)にお話ししています。
親が対応を変えることが大切です
親は「ゲームをやめなさい」「早く寝なさい」など、怒りの感情を含んだ言葉をぶつけがちです。
そうではなく、「私は」で始まる「Iメッセージ」で話すようアドバイスします。
Iメッセージとは、「私は」で始まる言い方のことです。
「私はあなたを心配している」「私はこう思っている」など、「私」から始まる言い方は、相手を責めないで自分の気持ちを伝えることができます。
カウンセリングで本人の気づきを促します
親子だけではどうしても解決できそうにない時は、カウンセラーに相談することを勧めています。本人は、何か辛いことから逃避するためにゲームやスマートフォンを使っているのかもしれません。
その辺は、カウンセリングをしながら本人の気づきを促します。
具体的なメニューでサポートします
引きこもり相談でもあったように、生活行動記録をつけることで生活を見直すきっかけになります。
どういう生活しているのか、客観的に把握してもらいます。
また、ネット利用のルール作りを一緒に作成していきます。
ルールを家族で守ることが解決につながるからです。
このように具体的な行動をすることで改善していきます。
■まとめ
子供に関しての悩みは、抱えてしまうこともあると思います。
困ったときには、専門のカウンセラーに相談するのも一つの手です。
一緒に前を向いていける方向を探していきましょう。
記事元:茨城ライフキャリア研究会(https://ilc-society.com)
提供元:記事のタイトル名+茨城ライフキャリア研究会
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